さて、集中力を増すには、何を食べるべきでしょうか。
このことに答えを出すために、まずどんなときに集中力が落ちるのかを考えてみます。
私たちが集中できないときは、イライラしていたり、そわそわしていたりするときです。
単純作業をつづけているうちに作業効率が落ちるという意味の集中力なら、休憩によるソフレッシュや目先を変えた作業をすることでとり戻すことができるでしょう。
しかしながら、イライラ感やそわそわ感による集中力の低下は、簡単にとり戻すことができません。
なぜイライラ感やそわそわ感が現れるのかといえば、自覚のあるなしにかかわらず、強いストレスが生じているからです。
たとぇば、プレッシャーの中で苦手なことをしなければならないときや、自分で準備不足を知うながらプレゼンをしなくてはならないようなとき、私たちには大きなストレスがかかります。
何とかうまくこなすことができればいいのですが、次から次に発生する問題のスパイラルに巻き込まれてしまうと、ストレスを解消することがなかなかできません。
その結果、ケアレスミスをくり返し、さらなる問題発生のスパイラルに巻き込まれてしまうわけです。
ストレスというのは、もともと悪いものではありませんでした。人間は、ストレスがかかると突如として攻撃的になり、ストレスをもたらす対象を駆逐しようとします。
たとえば、森に暮らしていた昔の人は、突然獣に襲われると、ものすごい力で反撃したう一目散に逃げ出したりしました。獣が襲ってきたことで生じたストレスが、人にふだん出せないような力を発揮させるからです。
人間にストレスを感じる力が備わっていなければ、獣に襲われても、何もできずに殺されてしまいます。
ところが、現代人はストレスを感じても、相手を攻撃したり逃げ出したりするわけにはいきません。そんなことをすれば会社を首になってしまいますから、その環境にじっととどまつて、とにかく仕事をやりとげなければならないわけです
そのため、嫌な汗をかきながらストレスに耐えるうちに、集中力を失っていきます。
そして、ついに集中力を全部使い切ってしまぅと、イライラしたりそゎそわしたりとぃう状態に陥ります。
ストレスと長時間、無防備な状態で闘えば、脳の海馬の細胞を壊すことにつながうよす。
本来、仕事中に活性化していなくてはならない脳は、ストレスに弱い臓器です。しかし、それでも現代人は、簡単にはその状況から逃れることができません。これは、きわめて大きな問題です。
ストレス対策には生のビタミンCを
結論を先にいえば、集中力を失わず、それを高めることは、ストレスに強い脳と身体をつくれるかどうかにかかっています。
もちろん、ストレス環境に慣れるということも重要だと思いますが、慣れるという意味でも、ストレスに強い身体を手に入れることはとても大切です。
ストレスに立ち向かうために必要な材料は、ビタミンCです。
人はストレスと闘うときに、ビタミンCを大量に消費します。もちろん、後に述べるように、ストレスの中で冷静な状態を保ち、あるいは脳の働きをよくするための材料はありますが、ストレスに立ち向かう武器になってくれるのは、ビタミンCです。
つまりこれが切れてしまえば、私たちはたちまちストレスに負けてしまうのです。
負けないためには野菜や果物を食べるしかありませんが、ほとんどの人が、 一日の適量(350g=コンビニのサラダ4個分ほど)よりはあまうにも少ない野菜をとるだけで食事をすませています。
十分に野菜をとっているときでも、ストレスを感じそうな状況に直面しそうなときは、果物ひとつ、あるいはサラダ、コンビニなどでも手に入るスティック野菜、デパ地下のジューススタンドで売られているようなフレッシュジュースでもとって、ビタミンCを十分に補給しておくことをおすすめします
ビタミンCは、手軽にとれるサプリメントがたくさん出回っていますが、やはり食べ物からとることが一番です。ビタミンCは一度にたくさんとってストックできるようなものではなく、余分なものは体外に排出されます。その意味でも、毎食のこまめな補給が必要なのです。
また、食事では、野菜の入った汁物をとりましょう。ビタミンCをはじめとするビタミンの多くは水溶性ですから、汁物には野菜から溶け出たビタミン類がたっぷり入っているからです。